私が、この仕事に慣れ始めた頃、1950年代後半から80年代の時代は、大型の都市ホテルの始まりで、その時は、丈夫でしっかりした道具類が少なかった時代です。担当者は、以前のホテルなどで使っていた以上に丈夫で良い物。あまり市販にない丈夫でしっかりした物を求めています。ホテルの運営を成功させるために、絶対に必要な物は、まだ市場にはない独自のアイテムです。例えば、鎚目入り銅板の板地をたたき締めて丈夫にし、綺麗な六角模様を施した道具。そこまで作りこんだ道具は、料理人の手に自然と馴染みます。その料理人自慢の道具から生み出される料理(煮込み・蒸し物・焼き物)は、他の追随を許しません。
その当時の経験をつんだ職人さん達の
「匠の技」が現在も健在です、銅製品・
アルミ製品・ステンレス材の加工・製作
そして装飾を施す事を私共が現在行っている事です。
大きなサイズから小さな鍋まで(大宴会場から当時は
仏蘭西料理のレストラン)迄、様々なサイズ形状・目的別に寸胴鍋・他各種の鍋類を主に、銅・アルミ・鉄で作成し、他に鉄板の厚板で、焼き物のロースパン、大型の角鍋などを制作しています。現在は、機械化で便利な物が開発されましたが、当時は必ず手作りでした。全てがスケッチ画で、デザイン・形状・サイズ
など打ち合わせ、試作を繰り返し、ひたすら手作りです。その手作りのよさを生かした製品が自慢です。
当時の職人さんは非常に優れた人たちが大勢いました。
どんな難問題も果敢に挑み解決し、よりよいものを製作してくださいました。